ひきこもりー親亡き後を考える

2016年10月16日(日曜日)に筑波大学文京キャンパスでおこなわれたシンポジウム「働けない子どものお金を考える」での備忘録。

  このシンポジウムでは、斎藤環精神科医)、畠中雅子ファイナンシャルプランナー)、社会保険労務士の方などからひきこもりのライフプランの説明があった。また、京都での官民一体で取り組まれたひきこもり支援での説明もあった。

ノートにメモっていたのを箇条書きにした。

 f:id:buriko555:20170301193745j:plain

 □ネットで検索して上位にあがるひきこもり支援団体で「必ず自立させます」と書いてあるところはほぼ100パーセント怪しい。暴力団関係者がひきこもり支援業界に参入してきているので要注意。


□ひきこもりの子どもを持つ親の精神的健康度(K6)を調べると鬱病に近い。そのため、判断能力が低下して怪しげな支援団体につけ込まれてしまう。一種の高齢者詐欺。

 

□ひきこもり本人の平均年齢は34.4歳。親の平均年齢は65.5歳。
ひきこもりの年齢があがる理由は、
(1) 働いていたが何かをきっかけにひきこもりになる人が増えているから
(2) 何もしなければ何も起こらないから
平均のひきこもり期間は155.4ヶ月(約13年)

 

□お小遣い
・お小遣いをあげなければ働くか→働かない。お金がない生活に慣れてしまう
・子どもに社会参加を期待しているのにお小遣いをあげないのは図々しい

・子どもへの平均お小遣い額は2万円
・月給制にする
・お小遣いの用途は問わない。
・お小遣い以上の額を求められても拒否する
・年金、健保、食費、交通費はお小遣いとは別に払う
・通信費はお小遣い内(なのでそれを考えてお小遣いを上乗せしておく)
※年金と健康保険の支払いはちゃんと親がする。銀行の窓口に一緒に行って手続きをする(ひきこもりはそういうことさえやったことがない)

 

□パソコン依存
・使用時間を6時間以内に抑える(そういうソフトがある)
・パソコンを捨てるor回線を切るというのはあり得ない
・プロバイダ料金はお金の問題として捉える
・パソコン依存がひどい場合はそれ専門の医者がいる

 

□親の資産について
・子どもに対して「このままだと生活は破綻する」というような抽象的なことを言うのはダメ。「月3万円稼いだらこの生活は10年続く」と具体的に言う
・親の資産がたくさんあるとわかると子どもは働かないのではないのか→実際は逆。むしろお金があるという安心感で働ける
・古い世代は「食うために働く」が今は他者から承認されるために働く。承認されるとは、他者から認められるだけではなくバカにされたくないなども含まれる
・「お金がある人はいいよね。うちの家庭はそこまで余裕がない」と相談者からよく言われるが(FPの畠山雅子さん談)が、資産の多寡ではなく親の覚悟が大事

 

□福祉制度の活用(生活保護、自立支援、障害年金
生活保護でも全て生保ではなく医療扶助や住宅扶助のように部分的に受けることも可能。
障害年金の受給→子どものほとんどは拒否することが多い

 

□相続と遺言書
・親と兄弟だけで話さない。第三者(専門家)を入れる。

 

□兄弟
・兄弟が犠牲になるケースがある。ひきこもっている弟のためにお姉さんが親の代わりにずっと面倒を見たりなど。そういうのはすぐ止めさせる(斎藤環先生談)。お姉さんが弟の人生を全て見る覚悟があるのなら別だが……
・兄弟がすることはひきこもっている本人との雑談だけでいい
・相続以外は親の兄弟に対する態度はフェアにしたほうがいい。後に禍根を残すから。姉が孫の姿を見せに実家に帰りたいのにひきこもった弟を気にして帰れないとかはダメ


□2030年問題
ひきこもりが本格的な社会問題化するのは2030年だと言われている。70年代に不登校だった層が年金受給者になるとき、彼ら彼女らは、年金は親が払ってくれているものの所得税などは払っていない。
まずここでフリーライダー(ただ乗り)だと世間からバッシングされる可能性がある。


ひきこもり者の資産がなくなったとき、生活保護に移行するわけだが2030年にはその規模が十万人から数十万人いると思われる。社会が持つかどうか。いや、仮に持ったとしても彼ら彼女らが生活保護の申請手続きをできるどうか。行政がひきこもりの存在を把握していないので孤独死や餓死の可能性がある。残念ながら、今のところ行政から把握しようという動きがほとんど見られない。

広告を非表示にする